10、根管清掃・洗浄とスミヤ―層の除去

根管洗浄や先導抗内の切削片の除去、根管の詰まり、根管充填材(剤)の除去にはV-S50,V-S51,V-S52などのダイアモンドが付着していないチップを根管壁に接触させずに注水しながら中空で発振させて行う。根管拡大・形成の終了後の根管清掃は、10~30秒、注水下でチップを発振させて行うことにより、キャビテーション効果とチップによる注水液の攪拌、そして根管壁にチップが接触することによる叩き出し効果により、清掃性が大いに得られる。超音波洗浄後は、3%次亜塩素酸ナトリウムで根管消毒を行う。

超音波チップによる根管拡大・形成は、手用ファイル・リーマー、回転切削装置による拡大とは明らかな違いがある。すなわち、超音波チップには根管拡大・形成を行いながら根管清掃・洗浄ができることである。特にCR築造時はスミヤ―層除去の有無が装着性の優劣に影響する。そこで、築造ポスト形成後の根管壁は特に念入りに超音波チップで接触洗浄しスミヤ―層の除去を行う。

根管拡大を行いながら根管洗浄が同時にできることは、多くの良い結果をもたらす。すなわち、スミヤ―層の除去にとどまらず、インスルメントが到達できない側枝や分枝根管・イスムスでの洗浄効果が発揮できる。具体的には、チップが届かない部位には振動しているチップが作り出す衝撃波によってキャビテーション作用をもたらし、それが根管に伝わり根管系すべての洗浄が行えることである。これはまるで、歯科用超音波洗浄器が根管内に出現したごとくである。

11、超音波チップによる第4根管の発見法

上顎第一大臼歯における予後不良症例には、近心頬側根管の2根性が関与していることが多い。このような症例には、超音波チップを使用して第4根管相当部の天蓋、側壁を除去することにより、根管口をたやすく見つけ出すことができる。


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6、根管中央部1/3の根管拡大・形成

根管口上部1/3の根管拡大に引き続き、根管中央部1/3の形成に使用したチップを引き続き使用し、事前に付与されている先導抗側壁をガイドに根尖方向へ進める。目標の長さである根尖中央部1/3の位置に到達したら、この部位での拡大は終了である。しかし、想定した長さより短い部位で抵抗が感じられたら、直ちに発振を中止しチップを引き抜き、#10K型ファイルで先導抗を確認、チップ先端が先導抗に挿入できるように#20でガイドグルーブを再形成する。抵抗があるにも拘わらず、その部位でのチップ操作を続けていると、ステップやリッジを形成するので注意が必要である。

7、ガイドグルーブと作業長の再確認

根管中央部1/3の根管拡大が終了した後は、ガイドグルーブと作業長の再確認をする。なぜなら、超音波チップによる拡大は湾曲根管に対する追随性はなく、根管をストレートに拡大・形成するため、湾曲性のある根管では最初に計測した作業長より短くなるからである。また、根管内の先導抗の確認をするため、根管探索に使用した#10型ファイルを使用し、アピットなどで作業長を再確認する。もちろん、エックス線撮影による作業長の再確認も一案である。根管拡大中の根管形状の位置関係を観察するよい機会でもあり、偏心撮影法をお勧めする。

8、根尖部1/3の根管拡大・形成

根管中央部の1/3根管拡大に使用したチップを、そのまま使用して拡大を進めていき、作業長より2~3mm短い部位でチップが抵抗なくスムーズに動けば、超音波チップによる根管拡大・形成操作は終了である。

9、アピカルシート形成

歯根は根尖に近づくにつれ湾曲している。超音波拡大は根管をストレートに拡大するため、作業長での拡大・形成はステップやリッジの形成、根尖口の破壊などを引き起こす危険性があり、行うべきではない。そこで、根尖部から2~3mm短い長さまでの拡大・形成が超音波チップの役目であり、アピカルシート部は手用K型ファイルによる形成となる。アピカルシートは、K型ファイル#35までで十分である。


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5、根管口上部1/3の根管拡大・形成

使用する超音波チップは作業長の長さに合わせ、V-S50D,V-S51D,V-S52D,V-S53Dの4種類から1本を選択する。操作法はコンタクトシェーピング法を基本としながら、ステップバック法に近いステップダウン法いわゆるブラッシングテクニックで行う。
すなわち、挿入したチップの先端が根管に食い込まれる一歩手前から、引き上げる操作を繰り返すことが重要である。チップの先端が根管壁に衝突するような操作は、ステップ形成の危険性があり、控えるべきである。

チップは1本を選択し、そのチップで最後まで拡大を行う。このチップが目標とする根管口上部1/3(作業長の約1/3)までに到着したら、この部位での拡大は完了する。そして、次の段階の根管中央部1/3への拡大へと移行する。もし、拡大途中でステップを形成した場合には、作業長決定に使用した#10のK型ファイルを先導抗に挿入し、作業長までのガイドグルーブを確認する。

そしてチップがスムーズに挿入できるようにガイドグルーブを再形成した後、超音波拡大を行う。特にステップダウン法による根尖方向へのチップ先端の切削はステップを作る危険性があるため、チップの先には過度な力(管壁に接触させない)を加えないようにする。
常に注水下で操作を行うことにより、キャビテーション効果が発揮され、根管拡大と根管洗浄・清掃を同時進行で行うことができる。

超音波切削の操作時の注意は、あくまでも根尖方向には無理に超音波チップを押し込まず、挿入時に抵抗が感じられたらその場で即、発振を中断もしくは引き上げるかをし、それより約1~2mm根管口上部の抵抗を感じない部位を、拡大とともに洗浄する。
そうすれば、自ずとチップの先端は先導抗に導かれて根尖方向に進んで行き、目的の長さに到達し、チップが目的の長さまで進み、スムーズに動いた時点で終了する。


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3、作業長の決定

根管口の拡大後、髄腔に3~8%の次亜塩素酸ナトリウム溶液下、プレカーブを付与した#10K型ファイルにて根管探索を行い、作業長の決定を通法に従い行う。
超音波振動切削による根管拡大・形成は根管口から超音波チップを下方に向け行うため、作業長の決定は根管丈夫1/3ぐらいまで拡大した後に行ってもよい。しかし時として、根管内でのステップを作ることもあるので、できれば作業長決定後の振動拡大が望ましい。

4、ガイドグルーブ(先導抗)付与

超音波振動による拡大は、超音波チップ周囲の根管壁を破砕、切削しながら進むので、NiTiファイルの操作と同様にガイドグルーブ(先導抗)が必要である。すなわち、根管探索を行った根管がガイドグルーブの役目となり、振動しているチップの挿入通路となる。いわゆるトンネル掘削時の先導抗、あるいは施盤加工ドリルのガイドグルーブがこれにあたる。特に、手用K型ファイルの#20が作業長に挿入できるまで手用ファイルを操作し、ガイドグルーブを確保(根管開通性確保)することが肝心である。
なお、再根管治療においては残存する根管充填材(剤)をガイドグルーブとし、超音波チップを挿入して除去する。そして除去後、手用ファイルによる根管探索を行い作業長を決定した後、上記の操作を行う。


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システムの流れ~根管口の確認~

Posted 2012年2月15日 By admin

超音波振動切削バリオスVチップシステムとは、使用するチップをできる限り少なくし、その分、髄室開拡ならびに根管口部の拡大用チップを追加し、根管拡大から根管洗浄までを同時にできるように配慮された根管治療システムのことをいいます。
この根管治療システムについて説明していきたいと思います。

1、髄室開拡と髄室汚物除去

大まかな髄室開拡は、歯科用ハイスピードハンドピースを使用する。髄角部や側壁の除去、あるいは髄床底部の清掃や象牙粒の除去など、細部にわたる髄室開拡(アクセスオープニング)には、V-G70,V-G71,V-G72,V-G77を使用する。

歯髄、根管内汚物、根充材(剤)除去や歯冠部歯髄腔の清掃は、チップを髄室壁や髄床底に軽く接触させて発振すると、キャビテーション作用により髄床底が清掃されて根管口が見えてくる。その後、歯内用探針で根管口相当部を探査すると、より鮮明に確認ができる。ただし、側壁と髄床底の色彩の違いには注意が必要である。

2、根管口の拡大と根管口の確認

髄室開拡後の歯冠部歯髄腔が超音波チップにより清掃されると髄床底部に根管口周囲が視野に入ってくるが、手用ファイルや拡大用超音波チップを根管内に挿入しやすくするために、障害物である根管口部までの側壁を取り除く必要がある。それには、V-G70,V-G71,V-G72,V-G77、で側壁の障害物であるエンド三角部を除去するために、根管口の拡大を行う。さらに、根管口部を見つけ出し歯内用探針にて根管口の確認と、どちらの方向を向いているかの状況を把握する。そして根管口が確認されたならば、V-G77で根管口の拡大と清掃を行う。


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